実光院(じっこういん)
実光院は勝林院で声明を修行する学僧の僧坊として建てられました。
詩仙堂の三十六詩仙画像の模写が掲げられた客殿の西側と南側には庭園が広がります。 |
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実光院の建物全体は、表門より一段低い地にあり、門を潜り短い石段を下りると正面が玄関です。 |
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玄関を上がると直ぐに客殿へ、ここは庭園が一望出来、緑が目に飛びこんできます。
庭園を眺めていると、すーっと風が通り雨音に風情を感じます。 |
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実光院の庭は客殿の南に池泉鑑賞式の旧普賢院庭園に |
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客殿の西側には池泉回遊式の旧理覚院庭園が見られます。 |
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庭園内に配置されいる石も多くは寺領のもので、
杉以外の庭木を低く仕立てて西側に広がる大原の山々を借景に取り入れることによって、
明るくおおらかな山里の雰囲気にとけ込んでいます。 |
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西北隅に茶室「理覚庵(りかくあん)」を設け(昭和50年)、
材木のほとんどは実光院領の山林から調達されたそうです。 |
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実光院の庭は様式美にはとらわれない
自然そのものを生かした作庭で、
4月から10月まで次々に花を咲かせる不断桜、
天然記念物の上臈(じょうろう)ほととぎす、
その他にもめずらしい和の花が一年を通して楽しむことのできる庭です。
この庭にも冬の寂しい山里の風情を与えるのでしょう。 |
■概 要■ |
勝林院の塔頭寺院。
客殿の床の間に陳列されている楽器は声明研究のため住職が収集したものであり
欄間の三十六歌仙画像は江戸中期の狩野派の手によるものです。
庭園は契心園(けいしんえん)といい、心字の池があり、滝組から落ちる律川の水が涼やかな音をたてています。
園内には茶花が多く、たえず何か花が見られ、秋から春にかけては不断桜が咲き見ごろをむかえます。 |
■見どころ■ |
池泉鑑賞式庭園:律川から水を引いて作られた滝があります
理覚庵:庭の西北隅に住職が設計した茶室
客殿:安置されている本尊は、地蔵菩薩像、脇侍には不動明王像と毘沙門天像
欄間:狩野派の画家達が描いた三十六詩仙画像が貼られています |
■歴 史■ |
京都大原にある実光院は延暦寺別院勝林院の塔頭で、
大正8年に同塔頭の普賢院と理覚院を併合して現在の地に再興されました。
実光院は「天台声明」といわれる仏教音楽伝承の寺として多くの声明家を排出し現在に至っています。 |
■場 所■ |
京都市左京区大原勝林院町187
TEL (075)744-2537 |
■拝 観■ |
開門時間:9時〜17時
拝観料:一般:600円(お抹茶・和菓子付き) |
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